2024.03.08
- 治療と予防歯科
- 院長ブログ
花粉症と口腔内の健康に与える影響
こんにちは、cocoroはなふさ歯科医院 院長の瀧口です!
最近は暖かい日が増えてきて、
確実に春の訪れを感じるようになってきましたね。
でも春と言えば花粉症の季節。
今の時期はお悩みの方も多いかと思います。
日本の国土の七割が森林ですが、
その18%がスギ人工林、10%がヒノキ人工林だそうです。
戦後の木材不足の時期に
スギやヒノキの造林が進みましたが、
木材の輸入自由化などによって、
国内の林業は衰退し、
伐採されずに放置された森林から
大量の花粉が飛散し、
現代の我々を苦しめているわけで、
なんとも残念なハナシです。
なお、スギは日本特有の木で、
スギ花粉症も日本特有のものといって
よいのではないでしょうか。
気候が寒冷な北海道には
スギ花粉の飛散は極めて少なく、
沖縄にはスギが全く生息しておらず、
花粉症に悩む人はわずかだそうです。
気温が高く、日照時間が多く、
雨の少ない夏は花芽が多くなるため、
翌春の花粉の飛散量が多くなります。
スギ花粉のピークが3月なのに対して、
ヒノキでは4~5月ですから、
これからの季節も対策が必要です。
こんな話をしているだけで、
なんだか鼻や目がムズムズしてきそうですが・・・
花粉症と口腔内の健康に与える影響について、
2点お話しさせてください。
まず花粉症の症状でよくあるものとして
「鼻づまり」が挙げられます。
鼻がつまると鼻で呼吸がしづらいので、
口で呼吸をするようになります。
そうすると、口腔内がカラカラと乾いてしまいます。
いわゆるドライマウスといった症状です。
花粉症を抑える抗ヒスタミン薬も
副作用で口が渇くことがあります。
唾液には口腔内の細菌の繁殖を抑えるとともに、
むし歯になりかけた歯を修復する役割があります。
唾液が少なくなると、お口の中を
浄化・修復する力が失われてしまい、
セルフケア(歯みがき)が不十分だと、
細菌によって引き起こされるお口のトラブル
(虫歯や歯周病など)のリスクが高くなります。
もし治療中に、鼻づまりで呼吸がしにくく苦しいや、
くしゃみが出そう、などといった時には
遠慮なくおしゃってください!
また、あまりにも症状が辛い時は、
症状が落ち着いてからでもかまいませんので、
無理なくご来院ください。
そしてもう一つ、
この時期になると「上の奥歯が痛い」と
来院される方がいらっしゃいます。
しかし口の中を確認しても歯には異常がないのに、
上の奥歯が痛く感じるようです。
この時の理由の一つに、
花粉症が関係してることがあります。
花粉症で歯が直接痛くなることはありません。
しかし、花粉症による鼻炎がとても重度になると、
上奥歯の上方に上顎洞と呼ばれる副鼻腔の一つがあり、
鼻の炎症が原因でその部分まで炎症を起こしてしまいます。
奥歯に近い部分で炎症を起こし痛みが出るので、
「上の奥歯が痛い」と勘違いしてしまうのです。
むし歯が原因の場合には、
1本の歯に痛みやしみる症状が出ますが、
副鼻腔炎が原因の場合は2~3本の歯に痛みが出ます。
もちろんご自身で判断することは難しく、
本当に歯が痛い場合もありますので、
基本的には我慢せず、歯科医院の受診をお勧めします。
副鼻腔炎の原因が疑われる際には、
耳鼻科の受診を勧めることもあります。
いずれにしても、
このような歯に関する痛みや心配事があれば、
いつでもcocoroはなふさ歯科医院に、
お気軽にご相談ください。
そして、花粉症で歯のトラブルが起こらないように、
ホームケアも大切にしましょう。